ミル貝

恥ずかしいからといっていつも彼女は ぼくの顔の前では脚を開こうとはしない けど、気に病むほどの色ではないし ふんわりとして柔らかくて とても可愛いと思う。 ぼくは比較対象をほとんど知らないから 気にしなくていいよ って言うのに 「嘘ばっかり。内心…

あの人

あの人の性格からして、 友達ができるタイプじゃないと思う。 自分がとても厳しい境遇に置かれてるから 他者を思いやる余裕がなくて いつも自分の物差しでしか周りを測ることができない 周りを見てないし 空気も読めない。 子育てにも向いてないと思う 彼女…

失敗

昼に、いつものショッピングモールで レイさんを見つけて 階段の裏側に隠れてキスして ドーナツ屋さんで一緒にカフェオレを飲んで帰した。 その夜 新幹線の切符売り場の前から電話した。 『声出さないで。返事もしなくていいから聞いて。 保険証とか、薬とか…

彼女はぼくを好きと言わない

彼女はぼくを好きと言わない ただ ぼくが彼女の中に入って肌を合わせて 満たしている時だけは 目を見て名前を呼んで、 抱きついて好きって言う その瞬間のためなら ぼくはなんだってできる